鳴潮のレイトレーシングとは
鳴潮は2025年2月13日にレイトレーシング機能に対応したKURO GAMESのオープンワールドRPGです。このゲームが採用するレイトレーシング技術は、アニメ調のビジュアルスタイルを保ちながら、より精細で現実的な光表現を実現しています。
レイトレーシングとは、カメラの位置から射出した光線を追跡し、光量・角度・屈折・反射などをシミュレーションするレンダリング技法です。従来のラスタライズ方式と比べて、より写実的で自然な映像表現が可能になります。鳴潮では、このレイトレーシング技術を反射、グローバルイルミネーション(間接光)、影の3つの要素に活用しており、水面や金属表現では画面外の要素も含めた高度な表現が実現されています。
鳴潮のレイトレーシング実装の特徴
ハイブリッド方式による最適化
鳴潮が採用しているのは、ラスタライズとレイトレーシングを組み合わせたハイブリッド方式です。まず通常のラスタライズで描画を行い、G-Buffer(オブジェクトの情報を含む描画関連のデータを一時的に保存するバッファ)を生成します。その後、このG-Bufferを参照しながら、間接照明や反射、影などをレイトレーシングで計算し、最終的にライティング段階で統合するという仕組みになっています。
この方式により、高品質な光表現を実現しながらも、処理負荷を抑えることができます。Unreal Engine 4.26という比較的古いバージョンを使用しながらも、Lumenベースのレイトレーシングを実用化させた点は、KURO GAMESの技術力を示す大きな成果です。
ライト数の制限と対応策
UE4の標準レイトレーシング機能では、Next Event Estimation(NEE)で全ライトを走査する設計になっており、処理負荷の関係上、レイトレーシングに参加できるライトの数が最大256個に制限されています。アニメ調オープンワールドという複雑なシーンでは、この制限が大きな課題となります。
鳴潮では、この課題に対応するため、World Space Clipmap Light Gridという技術を導入しました。これはライトを分割・フィルタリングする手法で、ReGIR(Rendering Many Lights with Grid-Based Reservoirs)を用いた時系列リサンプリングと組み合わせることで、多数のライトを効率的に処理しています。
反射処理の最適化
反射処理のパフォーマンス向上も重要な工夫です。毎フレームすべてを更新するのではなく、1フレームにつき1面のみを更新する仕組みにすることで、処理負荷を大幅に抑えています。また、光線が何にもぶつからなかった場合は、空の反射を光線の方向に基づいてCube Mapをサンプリングする手法を採用しており、この工夫により反射処理のパフォーマンスが約25%向上したとのことです。
水と透明度の表現
Single Layer Water(SLW)と呼ばれる水表現では、水底の色および深度を取得する必要があり、追加のレイトレースでそれらを算出して散乱効果を再現しています。透明度のある物体についても同様に、追加のレイを発射し、各層をトレースして手動ブレンドを行うことで、複雑な光学効果を表現しています。層数の管理が重要な要素となります。
レイトレーシングの設定方法
基本的な設定手順
鳴潮でレイトレーシングを有効にするのは非常に簡単です。以下の手順で設定できます。
まず、ゲーム内のメニューを開いて設定を選択します。次に、設定画面の左側のタブからグラフィックを選びます。グラフィック設定画面を下にスクロールすると、最下部にレイトレーシングのオプションが表示されます。ここでレイトレーシングをオンにすることで、機能が有効になります。
レイトレーシングのレベル選択
レイトレーシングには【低】【中】【高】の3つのレベルが用意されています。より現実的で精細な映像を楽しみたい場合は【高】の設定がおすすめです。ただし、レベルが高いほど処理負荷が増加するため、お使いのグラフィックスカードの性能に応じて選択することが重要です。
ウルトラ画質との組み合わせ
ウルトラ画質の設定を有効にすることで、一部モデルディテールの向上やシャドウ品質などの画面効果がさらにアップします。レイトレーシングとウルトラ画質を組み合わせることで、より高画質でゲームを楽しむことができます。
対応するグラフィックスカード
推奨スペック
鳴潮のレイトレーシング機能を利用するには、対応するグラフィックスカードが必要です。NVIDIAのGeForce RTX シリーズやAMDのRadeon RX シリーズなど、レイトレーシング対応のGPUが必須となります。
実際のプレイヤーの報告によると、GeForce RTX 3060 Tiでもレイトレーシングの設定が可能であり、安定したプレイが実現できるとのことです。より高いレベルのレイトレーシング設定を使用したい場合は、より高性能なグラフィックスカードの使用が推奨されます。
DLSS 3への対応
鳴潮はDLSS 3にも対応しており、GeForce RTX 40シリーズを搭載したPCでは、フレームレートの大幅な向上が期待できます。DLSS 3はNVIDIAの最新の画像アップスケーリング技術で、レイトレーシングによる処理負荷を軽減しながら、高品質な映像を実現します。
レイトレーシング有効時の映像変化
水面反射の向上
レイトレーシングの効果が最も顕著に現れるのは、水面の反射表現です。レイトレーシングをオフにした場合、キャラクターの足元の水たまりに映る映像はボヤけて見えます。一方、レイトレーシングをオンにすると、水面に映るキャラクターや周囲の景色がくっきりと反射し、より現実的な表現になります。
時間帯による光の表現
レイトレーシングを有効にすると、時間帯の光の加減に応じた描写がされるようになります。朝の時間帯では、太陽の位置に応じた自然な光の当たり方が表現され、より現実世界に近い映像表現が実現されます。
夜間の街灯表現
夜間のシーンでは、街灯の光で建物が照らされる様子がより詳細に表現されます。レイトレーシングにより、光源からの光がどのように周囲に広がり、物体を照らすかが正確にシミュレーションされるため、より立体的で奥行きのある映像になります。
フレームレートへの影響
パフォーマンスの考慮
レイトレーシングを有効にすると、当然ながらGPUの処理負荷が増加し、フレームレートが低下する傾向があります。ただし、鳴潮の場合、グラフィックスが元々高品質であるため、レイトレーシングなしでも十分に美しい映像でプレイできます。
フレームレートを優先したい場合は、レイトレーシングをオフにするか、低いレベルに設定することで、安定した60fps以上のプレイが可能になります。一方、映像美を最優先にしたい場合は、レイトレーシングを高レベルに設定し、若干のフレームレート低下を受け入れることで、最高品質の映像を楽しめます。
設定のバランス調整
最適なプレイ体験を得るには、お使いのPCのスペックに応じて、レイトレーシングのレベルと他のグラフィック設定のバランスを調整することが重要です。高性能なGPUを搭載している場合は、レイトレーシングを高レベルに設定しても問題ありませんが、そうでない場合は、中程度のレベルに設定することで、映像品質とパフォーマンスの両立が可能になります。
4Kプレイとレイトレーシング
4K解像度での実現可能性
鳴潮を4K解像度でプレイしながらレイトレーシングを有効にすることは、非常に高性能なグラフィックスカードを必要とします。4K解像度では、フルHDの4倍のピクセル数を処理する必要があるため、GPU負荷が大幅に増加します。
4Kプレイを目指す場合は、最新世代の高性能なグラフィックスカード(例えば、GeForce RTX 4090など)の使用が推奨されます。このような高性能なカードを使用することで、4K解像度でレイトレーシングを有効にしながら、安定したフレームレートでプレイすることが可能になります。
今後の技術展開
プラットフォーム対応の拡大
KURO GAMESは、鳴潮のレイトレーシング技術をさらに発展させるための計画を立てています。今後は、Console(PlayStation、Xboxなど)、Mac、Mobileなど、さらに多くのプラットフォームへの対応が予定されています。これにより、より多くのプレイヤーが高品質なレイトレーシング表現を楽しめるようになるでしょう。
パフォーマンス向上技術
Inline Ray TracingやBindlessといった最新のレイトレーシング技術の導入も検討されています。これらの技術により、さらなるパフォーマンス向上が期待できます。また、Ray Traced Direct Lightingの実装により、無限シャドウなどの高度な光学効果も実現される予定です。
高度な視覚効果
GPU-Driven Pipelineの導入やMega Geometryとの組み合わせにより、より複雑で詳細なシーンの処理が可能になります。さらに、パーティクル、透明度、コースティクス(水中の光の屈折による模様)などの高度なレイトレーシング効果の実装も計画されています。
レイトレーシング設定時の注意点
グラフィックスカードの確認
レイトレーシング機能を使用する前に、お使いのグラフィックスカードがレイトレーシングに対応しているかを確認することが重要です。対応していないカードの場合、設定画面にレイトレーシングのオプションが表示されません。
ドライバーの更新
レイトレーシング機能を最適に動作させるには、グラフィックスカードのドライバーを最新版に更新することが推奨されます。NVIDIAやAMDは定期的に新しいドライバーをリリースしており、これらには性能改善やバグ修正が含まれています。
他の設定との組み合わせ
レイトレーシングを有効にする際は、他のグラフィック設定(解像度、テクスチャ品質、シャドウ品質など)とのバランスを考慮することが大切です。すべての設定を最高にすると、フレームレートが大幅に低下する可能性があります。
プレイヤーの評価と体験
映像品質への好評
鳴潮のレイトレーシング機能は、プレイヤーから高く評価されています。特に、水面反射や夜間の街灯表現など、細かい光の表現が大幅に向上したことが好評です。アニメ調のビジュアルスタイルを保ちながら、現実的な光表現を実現した点が、多くのプレイヤーに支持されています。
グラフィックスの美しさ
鳴潮は、レイトレーシング機能がなくても十分に美しいグラフィックスを備えています。そのため、レイトレーシングをオンにすることで、さらに一段階上の映像美が実現されるという評価が多いです。ゲームの世界観をより深く楽しみたいプレイヤーにとって、レイトレーシング機能は非常に価値のある機能となっています。
パフォーマンスと映像のバランス
多くのプレイヤーが、レイトレーシングのレベルを調整することで、映像品質とパフォーマンスの良好なバランスを実現できていると報告しています。自分のPCスペックに合わせて設定を調整することで、快適にゲームを楽しむことができます。
まとめ
鳴潮のレイトレーシング機能は、アニメ調のオープンワールドに現実的な光表現をもたらす革新的な技術です。ハイブリッド方式による最適化、ライト数の制限への対応、反射処理の効率化など、KURO GAMESの高度な技術力が結集しています。設定方法は非常に簡単で、グラフィック設定からレイトレーシングをオンにするだけで、劇的に向上した映像品質を体験できます。対応するグラフィックスカードを搭載したPCであれば、ぜひこの素晴らしい機能を試してみることをお勧めします。
鳴潮のレイトレーシング完全ガイド:設定方法・最適化・映像効果を徹底解説をまとめました
鳴潮のレイトレーシング機能は、単なるグラフィック向上ツールではなく、ゲームの世界観をより深く体験するための重要な要素です。水面の反射、時間帯による光の変化、夜間の街灯表現など、細かい光の表現が大幅に向上することで、プレイヤーはより没入感の高いゲーム体験を得られます。お使いのPCスペックに応じて、レイトレーシングのレベルを調整し、最適なバランスを見つけることで、鳴潮の美しいオープンワールドをより一層楽しむことができるでしょう。














