ヨシタケシンスケ新作『メメンとモリ』解説:メメント・モリが教える「今を生きる」ヒント

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ヨシタケシンスケの最新作『メメンとモリ』について

ヨシタケシンスケは、多くの人気作品を生み出してきた絵本作家ですが、その最新作『メメンとモリ』は彼の初となる長編絵本として大きな注目を集めています。この作品は、単なる子ども向けの物語ではなく、大人が読んでも深く考えさせられる内容となっており、「人は何のために生きているのか」という普遍的なテーマに向き合う三つのストーリーで構成されています。

作品のタイトルに使われている「メメント・モリ」はラテン語に由来する言葉で、「死を意識せよ」という意味の警句です。この古い言葉を現代に蘇らせることで、ヨシタケシンスケは読者に対して、今この瞬間をどのように生きるべきかを問いかけています。

登場人物の紹介

『メメンとモリ』の主人公は、姉のメメンと弟のモリという二人の兄妹です。メメンは絵を描くこととカップケーキが好きな姉で、モリは映画とコロッケが好きな弟です。この二人が日常の中で様々な出来事に直面し、その経験を通じて人生について深く考えていく様子が描かれています。

メメンは兄妹の中でも思慮深いキャラクターで、モリが悩んだり迷ったりしているときに、優しく励ましたり、新しい視点を提供したりします。一方、モリは素朴な疑問を持ち、それを姉に問いかけることで、物語が展開していきます。この二人の関係性が、読者の心に温かさをもたらします。

三つのストーリーの内容

第一話:『メメンとモリとちいさいおさら』

最初のストーリーは、メメンが作ったお皿をモリが割ってしまうことから始まります。モリは「世界にひとつしかないお皿なのに」と、いつまでもクヨクヨしています。しかし、メメンはモリに対して「大丈夫よ、また作ればいいんだから」と励まします。

このシーンには、人生における失敗や喪失に対する向き合い方が表現されています。大切なものを失うことは誰にでもあるものですが、そこから立ち直り、新しいものを作り出していく力が人間には備わっているということが、優しく伝えられています。また、メメンのセリフには、人生の無常観と、それでもなお前に進もうとする姿勢が込められています。

この話の中では、「わたしたちだって いつかはおとなになって、おとしよりになって、そしていつかは 天国にいく」というメメンの言葉が出てきます。これは、人生の有限性を認識しながらも、その中で何ができるかを考えることの大切さを示唆しています。

第二話:『メメンとモリときたないゆきだるま』

二番目のストーリーでは、メメンとモリが雪だるまを作ります。夜のうちに降った雪を使って、次の日の晴れた朝に張り切って雪だるまを作るのですが、雪が足りず、晴れて溶けかかってしまい、できあがった雪だるまは想像していたものと違ってしまいます。

複雑な顔をしてその雪だるまを見つめるメメンとモリですが、興味深いことに、その雪だるまには意識があり、二人の顔を冷静に見ているという展開になります。このシーンは、期待と現実のズレ、そして完璧さを求めることの難しさについて考えさせてくれます。同時に、不完全なものにも価値があり、それぞれの存在には意味があるということを暗に示しています。

第三話:『メメンとモリとつまんないえいが』

三番目のストーリーでは、メメンとモリがつまらない映画を見てしまい、「時間を損しちゃった」と悩みます。モリは「みんなは楽しいことをしているのに、ぼくだけ損をしているみたい」と思い始めます。

このシーンでメメンは「いきものはべつに楽しむために生きているわけじゃないからね」とモリに言います。この言葉は、人生が常に楽しく幸せでなければいけないのか、という問いを投げかけています。つまらないと感じる時間も、退屈な瞬間も、人生の一部であり、それらもまた意味のある経験なのだということを示唆しています。

『メメンとモリ』が伝えるメッセージ

『メメンとモリ』を通じて、ヨシタケシンスケが伝えようとしているメッセージは多岐にわたります。まず、人生には失敗や喪失がつきものであり、それらに直面することは避けられないということです。しかし、そうした困難な状況の中でも、人間には前に進む力があり、新しいものを作り出す可能性があるということが強調されています。

また、完璧さを求めることの難しさと、不完全なものにも価値があるということも重要なテーマです。人生は思い通りにいかないことばかりですが、その中にも美しさや意味を見出すことができるという前向きなメッセージが込められています。

さらに、人生が常に楽しく幸せである必要はないということも、この作品の大切な教えです。退屈な時間や、つまらないと感じる瞬間も、人生の一部であり、それらもまた人生を豊かにする要素となり得るのです。

大人が読むべき理由

『メメンとモリ』は、一見すると子ども向けの絵本に見えるかもしれませんが、実は大人こそが読むべき作品です。現代社会では、常に成功を求め、効率を重視し、人生を最大化することが当たり前とされています。しかし、この作品は、そうした価値観に対して静かに問いかけを投げかけています。

大人が読むことで、自分たちが忘れていた大切なことを思い出させてくれます。人生の有限性を認識すること、完璧さを求めすぎないこと、つまらないと感じる時間も人生の一部であることなど、これらの気づきは、人生をより豊かで充実したものにするための羅針盤となるでしょう。

『メメンとモリ』と『メメント・モリ』の関係性

興味深いことに、ヨシタケシンスケの『メメンとモリ』と、大森元貴による『メメント・モリ』という、タイトルに似た響きを持つ二つの作品が存在します。どちらも「メメント・モリ」というラテン語の概念を基にしていますが、アプローチは異なります。

ヨシタケシンスケの『メメンとモリ』は、姉弟の日常会話を通じて人生の深いテーマを探求する心温まる絵本です。一方、大森元貴の『メメント・モリ』は、生と死が常に隣り合わせにある日常を、優しいイラストで描いています。

共通するのは、深刻なテーマを軽やかに扱い、前向きな気づきを提供する点です。『メメンとモリ』は会話形式で日常の智慧を伝え、『メメント・モリ』は視覚的に命の尊さを強調します。どちらも、メメント・モリという言葉の本来の意味である「死を意識することで今を大切に生きる」という前向きなメッセージを、読者に届けています。

ヨシタケシンスケの創作姿勢

ヨシタケシンスケは、『メメンとモリ』を通じて、自分自身が考える生死観を表現しています。この作品は、彼が長年にわたって考えてきた「人は何のために生きているのか」という問いに対する、一つの答えとも言えるでしょう。

彼の創作姿勢は、複雑な哲学的テーマを、シンプルで分かりやすい形で表現することにあります。難しい概念を、子どもにも大人にも理解できるような物語として再構成することで、より多くの人々に届けることができるのです。

『メメンとモリ』の後、ヨシタケシンスケは『そういうゲーム』という新作を発表しています。この作品は、「生きる」をテーマにした『メメンとモリ』に続く作品として位置づけられており、人生において起きる事柄を「そういうゲーム」と捉えることで、良いことも悪いことも流していく、という新しい視点を提供しています。

読者に与える影響

『メメンとモリ』を読むことで、読者は自分自身の人生について深く考える機会を得ることができます。この作品は、単に物語を楽しむだけではなく、読者の人生観や価値観に影響を与える力を持っています。

特に、人生に悩んでいる人、失敗や喪失を経験している人、人生の意味について考えている人にとって、この作品は大きな支えになるでしょう。メメンとモリの会話を通じて、自分たちも同じような悩みを持っていることに気づき、それでもなお前に進もうとする勇気を得ることができるのです。

『メメンとモリ』の表現方法の工夫

ヨシタケシンスケは、『メメンとモリ』を長編絵本として表現することで、テキストと画像の両方を活用して、より深いメッセージを伝えることに成功しています。絵本という形式は、子どもにも大人にも親しみやすく、複雑な概念を視覚的に理解しやすくします。

また、メメンとモリという二人のキャラクターを通じて、異なる視点から同じテーマについて考えることができます。メメンの思慮深さとモリの素朴さが対比されることで、読者は複数の視点から人生について考える機会を得られるのです。

人生の無常観と前向きさのバランス

『メメンとモリ』の特徴の一つは、人生の無常観と前向きさのバランスが取れていることです。この作品は、人生が有限であり、完璧ではなく、時には退屈であることを認めています。しかし同時に、そうした状況の中でも、人間には新しいものを作り出す力があり、不完全なものにも価値があることを示唆しています。

このバランスが、読者に深い共感と希望をもたらします。人生の厳しい現実を直視しながらも、それでもなお前に進もうとする姿勢が、この作品全体を貫いているのです。

まとめ

『メメンとモリ』は、ヨシタケシンスケが「人は何のために生きているのか」という普遍的なテーマに向き合った、初の長編絵本です。姉のメメンと弟のモリが、日常の中で様々な出来事に直面し、その経験を通じて人生について深く考えていく三つのストーリーで構成されています。失敗や喪失、完璧さの難しさ、人生が常に楽しい必要はないことなど、多くの大切なメッセージが込められており、子どもから大人まで、すべての読者に深い気づきをもたらします。

ヨシタケシンスケ新作『メメンとモリ』解説:メメント・モリが教える「今を生きる」ヒントをまとめました

『メメンとモリ』を最大限に楽しむためには、この作品を単なる物語として読むのではなく、自分自身の人生と照らし合わせながら読むことが大切です。メメンとモリの会話の中に、自分たちの悩みや疑問を見出し、彼らがどのようにそれに向き合っているかを観察することで、より深い理解と共感が生まれます。また、この作品を家族や友人と一緒に読み、その後で感想を交わすことも、作品の価値をさらに引き出す方法となるでしょう。ヨシタケシンスケの創作姿勢と、彼が伝えようとしているメッセージを理解することで、『メメンとモリ』はあなたの人生に新しい視点と希望をもたらす、かけがえのない一冊となるのです。

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