リズムゲーム「フィグロス(Phigros)」は、画面のあらゆる方向から流れてくるノーツを正確なタイミングでタップ・フリック・ホールドしていく音楽ゲームです。判定ラインそのものが上下左右に動いたり、画面全体が回転・反転したりするユニークな演出が特徴で、既存の収録曲をプレイするだけでも十分に奥深い作品ですが、フィグロスの世界をさらに広げているのが、プレイヤー自身が譜面を作って公開できる「創作譜面」の文化です。公式に収録されていない楽曲に自分だけの譜面を付けたり、既存曲にまったく新しい動きを与えたりできるこの遊び方は、プレイするだけでは得られない新しい楽しみ方として多くのファンに親しまれています。この記事では、フィグロスの創作譜面をこれから始めてみたいという方に向けて、必要な準備から実際の制作手順、公開までの流れをやさしく順番に紹介していきます。
フィグロスの創作譜面とは
創作譜面とは、プレイヤーが自分の手で一から組み立てるオリジナルの譜面データのことを指します。フィグロス本体には楽曲を追加する機能自体は搭載されていませんが、ファンコミュニティの間で育ってきた外部制作ツールを使うことで、好きな楽曲に合わせてノーツを配置し、本家と見分けがつかないほど凝った演出を加えた譜面を作り上げることができます。作った譜面はコミュニティ上で共有され、ほかのプレイヤーが挑戦できるようになっており、譜面制作者(通称「譜師」)同士で技術やアイデアを交換し合う文化が根付いています。単調なノーツの並びから、画面全体がめまぐるしく変化する超高難度譜面まで、作り手のセンス次第で表現の幅がとても広いのも魅力のひとつです。
創作譜面文化が盛り上がっている背景には、フィグロスのゲームシステムそのものが「ラインの移動・回転・拡大縮小」「ノーツの色や速度の変化」といった演出面で非常に自由度が高いことが関係しています。公式譜面で使われているテクニックを分析し、同じような表現を自分の譜面に取り入れようと試行錯誤すること自体が、制作の面白さにつながっています。
創作譜面を作る前に準備するもの
譜面制作を始める前に、いくつか用意しておきたい素材があります。まず必須となるのが、譜面を乗せたい楽曲の音声ファイルです。ogg・mp3・wavといった一般的な音声形式に対応しているツールが多いため、できるだけ高音質で、曲の冒頭や末尾に余計な無音部分が入っていないものを選ぶと、後の作業がスムーズになります。
次に、楽曲のジャケット画像(曲選択画面に表示される正方形のイラストやアートワーク)もあると、仕上がりの完成度が一気に上がります。png形式で用意しておくのが基本です。加えて、曲のBPM(曲の速さを示す数値)をあらかじめ調べておくと、エディタ側での設定がぐっと楽になります。BPMが分からない場合でも、エディタの機能を使って拍の位置を実際に聴きながら調整していくことができるので、焦らず準備を進めれば問題ありません。
最後に、譜面制作に使うパソコン環境です。創作譜面の制作は基本的にPC上で行うものが主流となっており、スマートフォンだけで完結させるのは難易度が高いため、可能であればWindowsなどのPCを用意しておくことをおすすめします。
譜面制作に使う定番エディタ「RPE」
フィグロスの創作譜面制作において、現在もっとも広く使われているツールが「Re:PhiEdit(アールピーイー、略称RPE)」という譜面編集ソフトです。ファンコミュニティの開発者によって作られたこのツールは、フィグロス本編のゲーム画面をほぼそのまま再現しており、公式譜面で使われているような複雑なライン移動やエフェクトも細かく組み立てられる設計になっています。無料で配布されており、譜面制作に挑戦したいプレイヤーの多くがまずこのツールから始めています。
RPEのほかにも、譜面データを閲覧・編集するための派生ツールや、できあがった譜面をブラウザ上で試しにプレイできるプレイヤーツールなど、周辺のソフトウェアも充実しています。初めて触る場合はまずRPEの基本機能だけに絞って慣れていくのがおすすめです。機能が豊富なぶん最初は画面の情報量に圧倒されるかもしれませんが、ひとつずつ手順を踏んでいけば難しいものではありません。
譜面を作成する基本ステップ
ここからは実際に譜面を組み立てていく流れを、段階ごとに紹介します。細かい操作方法はツールのバージョンによって多少変わることがありますが、大まかな流れはどのバージョンでも共通しています。
①楽曲情報を入力する
エディタを起動したら、まずは新しい譜面プロジェクトを作成します。ここで曲名・作曲者名・譜面制作者名(自分の名前やハンドルネーム)といった基本情報を入力します。合わせて用意しておいた音声ファイルとジャケット画像を読み込ませておきましょう。この段階で情報をきちんと埋めておくと、後から譜面を公開するときの表示もきれいに整います。
②判定線とBPMを設定する
続いて、譜面の土台となる判定ラインの本数と、曲のBPMを設定します。BPMは曲のテンポそのものを指す数値で、ここがずれているとノーツのタイミングが曲とかみ合わなくなってしまうため、最初にできるだけ正確に合わせておくことが大切です。曲の途中でテンポが変化する楽曲の場合は、BPMの変化点を追加で設定することもできます。判定ラインの本数は、譜面の構成に合わせて自由に増減できるので、最初はシンプルに2〜4本程度から始めて、慣れてきたら増やしていくとよいでしょう。
③ノーツを配置する
いよいよ譜面の中心となるノーツ配置の作業です。フィグロスには主に4種類のノーツがあり、タップして即座に判定されるタップノーツ、押しながらスライドさせるドラッグノーツ、はじくように操作するフリックノーツ、一定時間押し続けるホールドノーツが用意されています。多くのエディタではキーボードのショートカットが割り当てられており、曲を再生しながらリズムに合わせてキーを叩くことで、感覚的にノーツを置いていくことができます。最初から完璧な配置を目指す必要はなく、曲を何度も聴き返しながら少しずつ調整していく作業が基本になります。
④ラインの動きやエフェクトを加える
ノーツの配置がひと通り終わったら、判定ラインに動きを付けていきます。ラインを上下左右に移動させたり、回転させたり、拍に合わせて色や不透明度を変化させたりすることで、フィグロスらしい迫力ある演出を作ることができます。この工程は「イベント」と呼ばれる要素を時間軸に沿って追加していく形で進めます。最初は簡単な移動だけのシンプルな動きから試してみて、徐々に回転や拡大縮小などを組み合わせていくと、無理なくスキルを積み上げていけます。
⑤保存して書き出す
一通り譜面が組み上がったら、画面内の保存・設定メニューから作業内容を保存します。あわせて難易度名やイラストを手がけた人の名前といった追加情報もここで登録できます。保存した譜面データは、あとで再編集したり、プレイ用のファイル形式として書き出したりすることができます。作業中はこまめに保存しておくと、万が一の操作ミスがあっても安心です。
ノーツ配置をきれいに仕上げるコツ
見た目にも気持ちよくプレイできる譜面を作るためには、いくつか意識しておきたいポイントがあります。まず大切なのは、ノーツ同士の間隔や角度を意識して、実際に手を動かしたときに無理のない範囲に収めることです。画面上でどれだけ派手に見えても、実際にプレイしたときに手が追いつかない配置になっていると、せっかくの譜面の魅力が十分に伝わりません。
また、曲の盛り上がりに合わせてノーツの密度や演出の派手さに変化を付けることも重要です。曲全体を通してずっと同じ密度のノーツが続くと単調な印象になりやすいため、静かなパートではノーツを減らして余韻を感じさせ、盛り上がるパートで一気に密度を上げるといった「抑揚」を意識すると、プレイしていて気持ちのよい譜面に仕上がります。実際に自分でプレイしてみて、違和感のある部分は遠慮せずに何度も調整し直すことが、クオリティを高めるいちばんの近道です。
加えて、既存の公式譜面や、すでに公開されている人気の創作譜面を実際にプレイして分析してみるのもおすすめです。どんなタイミングでラインが動いているか、どんな場面で特殊な演出が使われているかを観察することで、自分の譜面作りに活かせるアイデアがたくさん見つかります。
完成した譜面を公開・共有する方法
譜面が完成したら、多くの制作者はファンコミュニティが運営する専用プラットフォームにアップロードして公開しています。こうしたプラットフォームでは、譜面ファイルと音声・ジャケット画像をまとめてアップロードすると、ほかのプレイヤーがそのまま挑戦できる状態で公開することができます。公開した譜面は、最初は「調整中」のような扱いになっていることが多く、プレイした人からの感想や指摘を受けて何度でも手直しできるのが特徴です。クオリティが安定してきたと判断されると、より完成度の高い譜面として扱われるようになり、コミュニティ内でより多くのプレイヤーの目に触れやすくなります。
公開する際は、曲名や難易度、おおよそのレベル感といった情報を分かりやすく記載しておくと、プレイする側も挑戦しやすくなります。初めて公開する場合は、まず短めの楽曲やシンプルな構成の譜面からチャレンジしてみると、全体の流れをつかみやすくおすすめです。
創作譜面に挑戦するときのポイント
これから創作譜面を始めてみたいという方に向けて、いくつか心がけておきたいポイントをまとめます。ひとつ目は、最初から高難度・高演出の譜面を目指さないことです。基本的なノーツ配置とシンプルなライン移動だけでも、曲の魅力を十分に引き出せる譜面は作れます。まずは短い楽曲で一区切り完成させる経験を積むことで、操作にもどんどん慣れていきます。
ふたつ目は、何度も自分でプレイしてテストすることです。画面上で見ているだけでは分からない「実際に叩いたときの気持ちよさ」は、プレイしてみて初めて分かるものです。違和感を感じた部分はそのままにせず、納得できるまで調整を重ねる姿勢が、良い譜面を作るうえでとても大切になります。
みっつ目は、コミュニティとの交流を楽しむことです。創作譜面の世界には、同じように譜面作りを楽しんでいる仲間がたくさんいます。他の人の作品からヒントを得たり、感想をもらったりしながら制作を続けていくことで、モチベーションを保ちながら長く楽しむことができます。焦らず、自分のペースで一歩ずつ技術を積み上げていくことが、創作譜面を長く楽しむための一番のコツといえるでしょう。
まとめ
フィグロスの創作譜面は、公式には収録されていない楽曲に自分だけの個性を込められる、非常に奥行きのある遊び方です。音声ファイルやジャケット画像といった素材を準備し、ファンコミュニティで育ってきたエディタを使って楽曲情報の入力からノーツ配置、ライン演出の追加、保存・公開までを順番に進めていくことで、誰でも自分だけの譜面作りに挑戦できます。最初から完璧を目指す必要はなく、シンプルな譜面を一つ完成させる経験を積むことが何よりの第一歩です。実際に自分でプレイしながら細かく調整を重ね、コミュニティの仲間たちと交流しながら制作を続けていけば、フィグロスというゲームの新しい楽しみ方がどんどん広がっていくはずです。これから創作譜面に挑戦してみたいという方は、ぜひ気になる楽曲を一曲選んで、まずは小さな一歩から始めてみてください。
フィグロス創作譜面の作り方|音源準備から公開まで初心者向け解説をまとめました
フィグロスの創作譜面作りは、音声ファイルとジャケット画像の準備から始まり、楽曲情報とBPM・判定線の設定、タップ・ドラッグ・フリック・ホールドといった各種ノーツの配置、ラインの移動や回転などの演出追加、そして保存・書き出しという流れで進めていくのが基本のやり方です。完成した譜面はファンコミュニティのプラットフォームを通じて公開し、プレイヤーからの反応をもとに調整を重ねていくことで、より完成度の高い作品へと育てていくことができます。難しく感じる工程も、ひとつずつ丁寧に進めれば誰でも挑戦できるので、興味を持った方はぜひ気軽に第一歩を踏み出してみてください。
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