ニュースの要約
- TechNoamとアダワープジャパンが共同でJID 2025に出展し、PLATEAU都市モデルとAutoware自動運転ソフトウェアを活用したシミュレーション技術を公開した。
- 3D都市モデルを活用することで、効率的な自動運転検証環境を実現し、開発コストや期間の大幅な削減が可能になった。
- 今後は天候や歩行者、交通量など、さらに複雑な条件下での検証を行い、自動運転システムの実用化を加速させていく。
概要
空間コンピューティング技術開発を行うTechNoam株式会社とアダワープジャパン株式会社は、2025年2月28日に開催された「JID 2025 by ASCII STARTUP」に共同出展し、国土交通省が推進する3D都市モデル整備プロジェクト「PLATEAU」のデータと、自動運転オープンソースソフトウェア「Autoware」を活用した自動運転シミュレーション技術を披露しました。
本展示では、PLATEAUのLOD2データを活用し、実際の都市空間を忠実に再現。Autowareを活用した自動運転技術の検証を効率的に行う方法を提示しました。また、TechNoamとアダワープジャパンの連携により、短期間かつ低コストでLOD3レベルの都市モデルを構築し、オフショア拠点を活用することで高額・長期化しがちな3Dモデリング作業も大幅に省力化しました。
本イベント内のピッチ企画「PLATEAU STARTUP Pitch 03」では、アダワープジャパン代表の安谷屋が登壇し、自動運転シミュレーションの未来について発表を行いました。Sonyの空間再現ディスプレイ上で、PLATEAUモデル内を走行する車両の動作をリアルタイムに可視化するデモも行われました。
本取り組みでは、高精度な3Dモデル上でのシミュレーションを行うことで、テスト数や検証期間を最適化。実車検証や車両運搬にかかる多大な費用を抑えることで開発スピードが加速しました。また、交通渋滞や悪天候など複雑なシナリオを仮想空間で再現することで、事故状況の分析やリスク評価に活用できます。さらに、PLATEAUやAutowareを活用することで高精度なシミュレーション環境を安価に再現できるようになりました。
このように、TechNoamとアダワープジャパンの協業により、実世界に近い複雑な交通シナリオや環境条件を再現できる検証プラットフォームが構築されました。開発プロセスの迅速化と安全性の向上が実現され、将来的な自動運転システムの実用化に向けた重要な検証環境が整備されることになります。
編集部の感想
編集部のまとめ
Autoware自動運転シミュレーション:TechNoam、アダワープジャパンと共同でJID 2025に出展―PLATEAUを活用した技術を公開についてまとめました
TechNoamとアダワープジャパンによる、PLATEAU都市モデルとAutowareを活用したシミュレーション技術の公開は、自動運転分野における大きな前進といえるでしょう。これまでの自動運転開発では、実車検証や物理テストに膨大なコストと時間がかかっていましたが、本取り組みにより、高精度な3Dモデルを用いて効率的な検証が可能になりました。特に、複雑な交通状況や環境条件をシミュレーションできることは、安全性の向上や開発スピードの加速につながる大きなポイントだと考えられます。
今後は、さらなる技術の高度化や、他社・研究機関との連携による実証実験の拡大などが期待されます。また、LLMの活用によって、より複雑かつ予測困難な状況下での検証も可能になるかもしれません。自動運転技術の進展は社会インフラの変革にもつながるため、このような取り組みの動向に注目していく必要があるでしょう。
参照元:https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000003.000129958.html